忙しさを言い訳にして、ずっと自分と向き合うことから逃げていました。最後のブログを書くことが決まってからも一向に考えがまとまらず、提出期限を1週間以上も過ぎています。元広報部員とは思えぬ所業です。広報部の皆さん本当にすみません。

現実を認めるのが怖かったんだと思います。今年1年間「選んだ道を正解にする」という言葉を自分に掲げて過ごしてきた中で、満足な結果を得ることはできませんでした。「正解にできなかった」という後悔ばかりのブログを書いてしまいそうで、白紙のルーズリーフを前に1文字も書けないまま一晩を明かしました。そんな状況でしたが、W杯でクロアチア代表に惜敗した日本代表から勇気をもらい、ようやく手を動かし始める事ができています。ありがとうニッポン。本ブログは私のサッカー人生の清算と、第2の人生を踏み出す一歩にしたい思います。

初めてサッカーと出会ったのは6歳の頃でした。買い物帰りに父に連れられて、地元の少年団の練習に飛び入り参加しました。サッカーのルールもボールの蹴り方も知らなかった私は「よく分からんけど全力でボールを追いかけまわしたら何とかなるやろ!」と考えた訳ですが、サッカーはそう単純ではありませんでした。愚直に追いかけまわすだけではボールに触ることもできず、年上の小学生達に簡単にあしらわれ、おそらく人生で初めて「悔しい」という感情を強烈に抱きました。帰り際。完全に不貞腐れて帰ろうとしたところに、「一生懸命だったから。」と言ってコーチが金メダルを渡してくれました。その金メダルが、なんだかとても嬉しかったのを覚えています。それから16年間、ずっと「悔しい」という感情と戦い続けてきました。

高校で全国大会に出られなかった悔しさをこのままでは終わりにできないと、大学サッカー部に入部しました。サッカーを通じてお世話になってきた人達に良い報告をして終わりたい。全国大会で活躍して、目に見える結果を届けることで恩返しをしたい。それが自分にとっての金メダルだと思い、一心不乱にボールを追いかけまわしてきました。しかし、大学2年生の時、ある出来事がきっかけで「自分の人生はこれでいいのか」と考えるようになりました。サッカーへの想いは変わらない。でもサッカーだけをやっていてはダメなのかもしれない。そこで私が選択したのは、「両方やりきる」ということでした。お世話になった先輩から、両方やることで両方とも中途半端になる危険性を説かれながらも「選んだ道を正解にするんだ!」と自分に言い聞かせて、隙間無く詰めこまれたスケジュールの中で過ごす大学生活を選びました。この選択によって沢山の方に迷惑をかけました。それでも多くを聞かずに見守ってくれた両親、変わらず接してくれた同期の皆には本当に感謝しています。だからこそ結果を出したい、必ず出すんだという想いで1年間やってきましたが、結果として満足のいく成果を残すことはできませんでした。

両方やりきると決めたことに対して後悔はしていません。どうしても譲れない想いがあって、成功率が低くなることが分かった上で二兎を追い、そして失敗した。そのことを今は受け止めることができています。ただ、もっと日々の時間の使い方や、ミクロな意思決定に関しては改善できたと思います。それが私の心残りであり弱さです。最大限に考えながら日々を過ごしてきたつもりでも、結局は選んだ道を正解にする覚悟が足りなかった。この現実を認めることができずに1か月を過ごしてきましたが、これからは目を背けずに第2の人生を歩んでいこうと思います。

16年間のサッカー人生を終えて手元に残ったのは、”教訓”と”財産”です。”教訓”に関しては散々述べたので多くは語りませんが、「全力でボールを追いかけまわしていても報われる訳ではない」という、本当は始めから分かり切っていた教訓をあらためて得る形になりました。全力でボールを追いかけまわして何とかなるのはスペシャルな身体能力を持った前田大然選手くらいのものです。私のように、何か秀でた才能がある訳ではない人間の努力はどうすれば報われるのか。この問いに対して私は「正しい努力を追求し続けること」が答えではないかと考えています。

報われる努力(正しい努力)=正しい知識×正しい行動×覚悟

これが私の16年間のサッカー人生から立てた仮説です。1つ目の要素である「正しい知識」に関しては以前もブログで触れているのですが、ただの脳筋にならず、目標に向かって最も最短だと思うルートを考え続けることが大切だと痛感しています。2つ目の「正しい行動」とは、正しい知識に基づいた行動をするということに加えて、感謝と思いやりに基づいた「応援したい」と思ってもらえるような振る舞いをすることも指しています。成功する人はよく「周りの人が支えてくれたおかげです」という言葉を口にしますが、周りの人に支えてもらうためにはそれに相応しい振る舞いをしている必要があります。3つ目の「覚悟」は3種類あると思っています。1つは「貫く覚悟」です。夢や目標に向かって、どんなに苦しいことがあってもやると決めたことをやり切る覚悟のことを指しています。次に「変わる覚悟」です。人間は変化を恐れる生き物ですが、その恐怖に打ち勝って自分を変えていく覚悟のことを指しています。最後は「捨てる覚悟」です。人間なのでやりたいことが他にもあったり、遊びたかったり、好きなものを好きなだけ食べたかったりという気持ちがあるのは当たり前ですが、人生は短く限られているので、時には目標を優先するためにそれらを捨てる必要があります。

努力が報われてほしいと願うのであれば、「正しい知識」「正しい行動」「覚悟」これら3つの構成要素のどれかに足りていないところはないか、常に自問自答することが大切だと思います。これを読んでくれている後輩達や努力が報われないと感じている方々が少しでも自分を見直すきっかけになってくれれば嬉しいです。

”財産”に関しては本当に沢山あります。サッカーを通じていろんな方と関わり、悔しい思いも言葉にできない喜びも味わって私という人間が育まれました。サッカーを通じた全ての経験が私にとっては財産です。そして、この財産を得ることができたのは、支えてくれた両親、お世話になった監督・コーチ、先輩方、一緒に戦ってくれた後輩達、応援してくださった地域の方々、いつも元気をくれたマネージャー、共に汗を流した仲間、関わってくれたすべての方々のおかげです。この場を借りて感謝を伝えさせてください。本当にありがとうございました。

社会では一生懸命に頑張ったからといって、金メダルをもらえるようなことは無いかもしれません。努力したプロセスではなく、結果を出せたか否かを評価されるのが、世の常であると思います。それでも「あの時頑張って良かった」と心から言えるように、今度は選んだ道を正解にできるように。教訓と財産を胸に第2の人生も頑張っていこうと思います。

[DF 瀬畑康平 (4回生)]

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