「ラストは主将の田中暁希選手です」
そう紹介されるだけでもハードルが高いのに、みんなのブログがどれも素敵で更なるプレッシャーを感じています。その一方で、今まで以上にみんなのことが好きにもなりました。一文目から涙が出そうになることもあったくらいです。得手不得手にかかわらず、想いは文章にのって伝わると思います。私は文章を書くことが得意ではなく、書き初めから詰まってしまいます。まさしく今、その状況です…。

「全国ベスト16」
今シーズンの目標を達成するために私が主将を務めることになりました。最善の選択だったと皆を納得させたい一心でスタートしたことをよく覚えています。しかし、そんな矢先、思わぬ天皇杯準決勝10日前の活動停止。その頃チームの雰囲気はよく、技術的にも自信を持てていただけに、試合ができないことへの虚しさややりきれない思いが強くありました。正直、気持ちの整理に時間がかかりました。

自粛期間は個人的にも貴重な時間になったと感じています。この事態からあらゆる状況に適応する能力が必要だと感じましたし、昨日までやっていたことが突然正解ではなくなる時に陥ってしまった時に、自分自身のスタイルを変えられるか。また、変化し続けられるかということが重要だと思うようになりました。ただ、残し続けることも大切なわけで、あらゆることに対して、普段から磨いた感性と直感を結びつけて、素早く意思決定することが大切だと認識しました。即決すれば失敗は増えるかもしれません。それでもできるだけ早く判断するべきだと思います。「悩む時間<行動する時間」にした方が成長に繋がると思うからです。大野のブログにも似たような内容が書いてありました。「考えてから行動するより、行動してから考える。考えているだけでは意味がない」と。失敗した数だけ教訓を身につけることができます。失敗と捉えるのではなく成功への手がかりと考えることができれば、どんな経験も成長につなげることができそうです。そして、変化し続ける能力を身につけるためには、より多くの経験をすることが大切だと思います。サッカーで言えば、試合の映像を観ることで成功を疑似体験することも出来ます。人と話すことで様々な考え方を知ること、本を読んで知識を蓄えること、行ったことのない場所へ足を運んでみること、いくらでも方法はありそうです。最近は、一見関係のない事から何を学べるかが重要だと考えるようになりました。例えば、音楽界には「ボディマッピング」という言葉があります。ボディマッピングとは、自分の体の大きさや動きを的確に認知する能力を意味します。何が言いたいかというと、サッカーだけをしていてはダメなんじゃないかということです。個人、チームともに、強くなるためには物事を多面的・多角的に捉え、サッカーとは一見関係のないような事から何を学べるかが大切だと思うのです。今後、当部が強くあり続けるために必要なことなのではないかと思います。高知大学体育会サッカー部員として、サッカー選手として、一人の人間として、進化(深化)するタイミングなんじゃないのかなと…。

ここまで、自粛期間の出来事を振り返りましたが、私にとっては必要な時間だったのではないかと感じています。当たり前のことを見つめ直したり、新しいことを学んだりと有意義な時間にすることができました。また、出来事を振り返り、文章化にすることで、考えを整理することもできました。私は感謝を伝えることが苦手です。苦手というよりは、いつの間にか当たり前のように感じてしまっている自分がいます。最後のブログでは「感謝」を伝えようと前から決めていました。今まで面と向かって言えなかった感謝を伝えさせて下さい。

主将を決めるミーティングでは、特に揉めることなく私に決定しました。私が主将にふさわしいとみんなが思ってくれていたからだと思います。ただ、学生コーチの竹本には、「お前はキャプテンらしくない」と何度か言われました。その度に「キャプテンのあり方は様々だから」と強がっていましたが、どこか歯痒いものがありました。自分でも思っていることを言い当てられて少し腹が立っていたのかもしれません。私は、かなりわがままな主将だと自覚しており、チームメイトにはたくさん迷惑をかけていると思います。本来であれば、チームのために自制しなくてはならない場面でも感情のままに行動してしまうことが多く、少し反省しています。しかし、主将という責務に対し、そこまで重圧を感じていないのも事実です。のびのびとプレーすることができ、今まで以上に調子がいいとさえ感じています。キャプテンとなってからも基本的には今まで通り、ありのままの自分でいられています。その点がキャプテンらしくないと言われる要因かもしれませんが、そんな私が主将を務められているのは、支えてくれる部員のおかげです。ありがとう。

100人近い部員の中でも、特に主務の渡邉には本当に感謝しています。今シーズンのMVPは間違いなく彼です。チームの運営を完璧にこなしてくれています。完璧すぎて仕事の中身は誰もわからないほどです。自主練習など自分に関係することであれば、時間を費やすことは難しいことではないでしょう。しかし、主務の仕事は自分に関係しないことがほとんどだと思います。それにも愚痴ひとつこぼさずチームのために働いてくれています。完璧すぎるが故に何をしているか知られず、表立って感謝をされることもありません。全部員を代表して言います。ありがとう。

そして、学生コーチの二人にも感謝しています。清家には、昨シーズンと異なる役割を託すこととなりました。以前、彼も自身のブログで綴っていましたが、現実を受け入れるのに少し時間がかかったと思います。当初、本当にこれでよかったのかと不安になることもありましたが、今では自信を持って正しい選択だったと言えます。そう思えるようになったのは他でもなく清家のおかげです。また、今シーズンのI Aはリーグ戦を全勝優勝しました。このような素晴らしい結果は彼にしか成し得なかったことでしょう。清家を支えてくれた仲間にも感謝しています。このブログが掲載される頃には、全国大会も終えていると思います。みんな、お疲れ様でした。そして、ありがとう。もう一人は竹本。彼を一言で表すと、「不器用」です。練習時間の連絡が遅い、お願いされたら断れない、部屋の片付けが苦手など挙げればきりがありません。入学時から変わらないそんな彼がトップチームのヘッドコーチを務めることになるとは誰も予想できなかったでしょう。ここまで本当によく頑張ってくれています。大きな重圧の中、チームを勝利に導くために全力を尽くしてくれています。ヘッドコーチという立場は、選手からの風当たりも強く、人間関係にも悩まされるものです。自身の強みを活かし、選手とも上手くコミュニケーションをとってチームの雰囲気を気にしてくれています。本当に助かっています。ありがとう。不器用なままでいい。ラストスパート、みんなで支え合いながら頑張っていきましょう。

宮武監督、いや、敢司さん。入学当時はあまり話したことがなく、正直話しにくい方だと思っていました。今では兄貴と話すかの様に接している自分がいます。ピッチ内ではもちろん、ピッチ外でも相談にのっていただきました。「責任は俺が取るから」と言う言葉を何度も聞きました。その度にいい意味で開き直り、前に進むことができました。サッカーとは関係のないことでも相談にのってもらい救われたこともあります。本当にありがとうございました。今年は敢司さんを胴上げしていないので、全国の舞台で胴上げさせてください。

勝つために何ができるでしょうか。トレーニング、ストレッチ、食事、睡眠などがすぐに思いつくでしょう。他にも、組織・戦術論、ビジネス的なアイデア、他競技の技術を取り入れることもできるかもしれません。今シーズンは最終学年ということもあってか、これまで以上に勝利を追求するようになりました。そうなったことで、必然的にピッチから離れた部分と関わることが増えました。最も変化が大きかったのは、部員との会話が増えたということです。中でもマネージャーと話すことが増えたように感じます。一方的な感情かもしれませんが、マネージャーとコミュニケーションを取る機会が増えたことで、チームの一員という意識が強くなったように感じます。それまでは陰でチームを支えてくれていて、ピッチ外での働きが大きいと感じていました。しかし、今シーズンはより強い絆を感じています。感情で表現すると、「支えてくれるマネージャーのためにも」から「マネージャーも共に闘っている」に変化しました。マネージャーが入れてくれるボトルのおかげでプレーできている、すぐに用意してくれるアイシングのおかげでコンディションを保てている、常に管理してくれている備品があって試合に臨めているなどが、チームの勝利に直結していると考えられるようになりました。このような考えを持つことができたのは、マネージャーとの会話が増え、彼女たちの想いをより一層強く感じられたからだと思います。今シーズン多くの試合に勝利できたのはマネージャーの活躍のおかげです。本当にありがとう。全国大会に向けて、共に頑張りましょう。

今年の4回生の特徴は、明るくてエネルギッシュなところだと思います。そう言えば聞こえは良いですが、実際には変わった人が多いだけかもしれません。常にマウントとりたがるやつ、すぐに抜け駆けするやつ、歩き方がオラついているやつ、モラルのないやつ、メモばっかりするやつ…。変なやつばっかりです。私も変なやつの一人なのでしょう、みんなといると笑いが絶えません。スローガンである「和」は今年の4回生にピッタリだったと思います。そして、大学サッカーをこれほどまでに楽しめているのはみんなのおかげです。本当に感謝しています。ありがとう。卒業しても、今まで通り大好きなことのために全力を注ぐ、かっこいいお互いであり続けましょう。

4回生を陰で支えてくれている後輩にも感謝しています。我々の足りない部分を柔軟に補い、チームに安定感をもたらしてくれています。3回生は来シーズンに向けて少しずつ準備をしていると思います。時には不安になることもあるでしょう。主将を務めたことで、結果を残すために何が必要なのか少しだけわかった気がするので、3つ伝えさせて下さい。

1つ目は、信じることです。自分を信じることを『自信』と言います。大事な試合に勝つ、苦手なことを克服する、新しいことに挑戦するなど、何かを成し遂げるためには、自信を持つことが大切だと思います。他者と信じ合うことを『信頼』と言います。互いを尊重し、切磋琢磨することでチームとしての結束力は強くなると思います。自分と仲間、そして未来を信じて取り組むことが勝利の秘訣だと思います。重要なのはここからです。成長を実感できている時は、勝手にモチベーションが上がると思います。しかし、時にはモチベーションが低くなることもあるでしょう。そんな時は、誰かの本気の瞬間を見てください。勝手に力がみなぎってきます。幸運なことに君たちには多くの仲間がいます。仲間の存在を意識し続けることで、個人、チームともに志を高く保って下さい。2つ目は、楽しむことです。サッカーに限らず、何をするにも楽しむことが大切です。夢中になっている時こそ成長できると思います。ボディマッピングの例を出しましたが、一見関係のないことから学びを得るためには楽しむことが必要です。面倒くさいと感じていた授業も楽しく学ぶことでサッカーに活きる何かを見つけられるかもしれません。つまらないと感じるより楽しいと感じられた方が得ですよね。大事な試合の前にはプレッシャーを感じることもあると思います。それでも、自信を持って臨むことで楽しさに変えることができます。初心を忘れず、思う存分サッカーを楽しんで下さい。3つ目は、感謝です。最も当たり前かつ重要なことです。また、想像以上に難しいことでもあります。自分を支えてくれるすべての人に対して感謝の気持ちを忘れないで下さい。そして、言葉で表現してください。言葉はとても大切です。会話をする際、相手の目を見て感情を伝えることで同期発火が起こり、人間同士の「気持ち」と「こころ」をつなぐことができます。普段から接する人はもちろん、陰で支えてくれる人へも感謝の気持ちを言葉で表現して下さい。意識次第で変えられることなので、今この瞬間から始めるといいと思います。

12月8日以降、コロナの関係でチームの活動が停止と再開を繰り返しています。全国大会を目前の我々にとっては正直悪条件と言えるでしょう。しかし、やらなければならないことは明確です。各部員、自分にできる最善を尽くしていると思います。全国での活躍に期待してください。また、このような緊迫した状況が続く中で自らの危険を顧みず、第一線で奮闘される医療従事者の方々には、心から感謝しております。心身ともに疲弊しきって体調を崩してしまわないかと心配です。どうか、自身のお体もご自愛ください。苦しい状況が続くと思いますが、力を合わせて共に強く逞しく乗り越えましょう。

最後にこの場を借りて、両親に感謝の言葉を送りたいと思います。

今までサッカーを続けてこられたのも、大学に入学できたのも、全部お母さんとお父さんのおかげです。本当に感謝しています。今年に入ってから「自分が本当にやりたいことは何か」、「悔いのない人生にするにはどうしたらいいか」を考える時間が増えました。そして、自分の気持ちと正直に向き合った結果、サッカーを続けたいと思いました。周りの人に『就活どうするの』と聞かれて『プロ志望です』と答えると『親御さんには何も言われないのか』と言われます。そのたびに自分は恵まれていると実感します。わがままばかりの俺に文句一つ言わずそっと見守って応援してくれて、必要なときにはサポートしてくれる。これからも迷惑かけると思うけど、頑張って目標を達成します。1月に全国大会が控えています。大会を終えた時、俺は今以上に幸せだと思う。一生の仲間、大切な思い出、サッカーへの情熱。お金では買えない、かけがえのないものを得ることができました。本当にありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。

[DF 田中暁希 (4回生)]

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↑今年は追いコン無くします。