冷たい秋雨が頬を刺す中、僕の高校3年間が幕を閉じた。1回戦敗退というあまりのあっけなさにどうしても納得できなくて、辞めるつもりでいたサッカーを大学で続けることを決意した。
あれから3年。故郷静岡にある富士山の頂上から眺めてもみえないくらい、遠く離れた四国で僕はサッカーボールを追いかけている。入部当初、大学では役職に就かずプレーヤーにだけ集中すると決めていた。それは高校時代、主将としてピッチ内外の問題に苦悩したからだ。
大学1年生の時、学年代表を決める話し合いで、賢司が候補者の一人として僕の名前を挙げた際、「余計なこと言うなボケ」と思った。しかし、蓋を開けてみれば今主務を務め、チームを支える立場に立っている。(賢司、お前の目に狂いはなかった)
主務に就任してから早二ヶ月、慌ただしく日々が過ぎていき、猫の手も借りたいぐらいである。一つの仕事をこなす度、主務の苦労が身に染みる一方、チームを支えているという実感が湧いてくる。支えるといっても僕ひとりでチームを背負っている訳ではない。主将や副将、学生コーチなど、部員同士が様々な形で支え合っている。中には支えるのではなくチームを引っ張る存在もいるかもしれない。そんな部員の姿からは覚悟や決意のようなものが感じられる。
昨年の松園さんや一昨年の延藤さんなんかは、その思いが人一倍強く感じられた。「チームを勝たせる」とは、こういう人たちのことをいうのだろう、と先輩の背中を見て学んだ。一方で、チーム全体がその存在に頼り過ぎていたようにも思う。
「あなたは高知大学サッカー部に対し、どのように貢献していますか?」
今、この問いに答えられる部員は何人いるだろう。10人?20人?50人?それではだめだ。全員でなければならない。「主務」という役割を与えられるまで、この問いに答えられなかった僕が言える立場ではないかもしれない。それでも全員でなければならないと強く言いたい。松園さんや延藤さんのように、チームを背負う覚悟を見せろとは言わない。特別なことじゃなくていい。
練習前、ボールに空気を入れるだけで練習の質が向上するかもしれない。練習中の掛け声ひとつでチームの雰囲気を明るくできるかもしれない。マネージャーが予備の名盤を準備するだけでミーティングがスムーズにできるかもしれない。ほんの些細な行動がチームに対して影響を与える。もちろん、Aチームの選手であれば試合に出て勝つことが最大の貢献になるだろう。どんな形であれ、「自分事」としてチームに貢献しようとする姿勢が大切なのだと思う。
繋がりを大切にしよう、という思いから今年のチームスローガンは「和」になった。
楽しくサッカーしましょう。
部員同士仲良くしましょう。
そんな考えは必要ない。部員一人一人が本気でチームと向き合えば、自然と「和」は生まれてくる。
今シーズン始まったばかり。まだまだチームとして一つになれる。本気になった集団は強い。10ヶ月後、チーム全員で笑って終われる、そんなシーズンにしたい。
DF 渡邉祐耶 (新4回生:主務)
↑ 頼りない主将・副将を僕たちで支えましょう。
